熟年離婚から一転生活保護人生?原因は?
今まで何十年と汗水たらして頑張ってきたご主人達。
子供も育て家庭も持ち、、
老後はのんびりと暮らせるだろうと、誰もが願ってるごく普通の人生。
しかし、夫婦のささいなもめごとが原因で、日ごと暮らすのもやっとのどん底人生に転落してしまう
熟年離婚者が次から次へと出てくるんです。
熟年離婚は年々増加していますが、すべての離婚者が普通の人生を送っているわけではないんです。
今回はいろいろな熟年離婚の落とし穴のケースをお伝えしていきます。
熟年離婚から一転生活保護人生?
67歳で熟年離婚したA子さんはあるNPO法人に助けを求めに行きました。
工場で長い間働いていた御主人からは日常的にDVや暴言を受け、
いままでずっと我慢していたのですが、
2008年の法の改正で、離婚しても夫の年金を分割してもらえると知り、
離婚を決意したんです。
長い間、ご主人からのDVに耐え切れなかったんでしょう。
御主人から解放されたいという気持ちがあったんではないですかね。
御主人の年金額は、国民年金と厚生年金を合わせると約15万円。
A子さんは専業主婦ということで国民年金だけなので約6万円。
2人合わせると約21万円。
そして、持ち家があるので、なんとか暮らせていきます。
しかし御主人の厚生年金を2人で分けると、どちらも年金総額が11万円くらいになります。
ようするに、中流というより、貧困老人が2世帯できてしまう計算なんです。
原因は?
A子さんは住まいを出て自分でアパート暮らしを始めましたが、
やはり11万円の年金で家賃を払うと、とても暮らせていけません。
しかも、A子さんにはリウマチという持病があり、医療費ものしかかってきます。
とうとう苦しんだあげくにNPO法人に駆け込んだんです。
そして、生活保護の申請をしてもらい、今はなんとか暮らしているようです。
A子さんは今までの40数年という間、全く普通の生活レベルだったものの、
熟年離婚をしたという一つのきっかけによって、
思いもよらない人生を送ることになってしまったんですね。
このように熟年離婚というのは、極めて高いリスクと考えたほうが良いと思います。
ちなみに、
● 高齢男性のみの世帯の相対的貧困率は38・3%
● 高齢女性のみの家庭では52・3%
簡単に言うと高齢女性の一人暮らしほうが1.5倍ほど、貧困老人になるリスクが高いのです。
だからといって、DVや暴言を我慢して、夫婦関係を続けたほうが良いとは、限らないと思います。
このような熟年離婚をした高齢の女性をどう支援していくかは、国の課題になってくるんではないでしょうか。
例えば、ヨーロッパのドイツではこういうA子さんのようなケースでは、
優先的に低家賃の住居が与えられるんです。
日本の場合はまだまだそこまで議論されていませんね。
また、離婚の慰謝料に関してもあいまいです。
御主人が定年退職し、第二の人生を誰にも束縛されず、離婚して一人で歩んで行きたいと思う
方が多いようですが、離婚を決意する前にもう一度冷静に考えてみてはどうでしょうか。
失敗したら、老後が寂しくなるだけです。