腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌という3種類の細菌が存在しているんです。
善玉菌は腸の運動を活発にしてくれます。
悪玉菌は反対に、腸の運動をにぶらせるはたらきがあります。
日和見菌は状況次第でどちらにでもなります。
この3つの菌の割合は、体調や生活習慣の乱れ、食事の偏り、ストレスなど、いろいろな要因で変わってきます。
特に、日和見菌は、悪玉菌が増えてくると悪玉菌側になって加勢するし、善玉菌が優勢になると善玉菌側になって加勢するので、一度傾くと、グワーッと状況が変わりやすいのです。
■便秘を解消するには善玉菌を増やせば良いの?
便秘を解消するには、悪玉菌が増えすぎないようにする配慮が必要です。
そのためにも、善玉菌が優位になるように、腸内環境を変えていかなければなりません。
善玉菌を増やすには、善玉菌の入った食べ物を、生きたまま腸に届けさせることです。
そうすると、腸内で善玉菌のエサになって、善玉菌を増やしてくれます。
そのために効果を発揮してくれるのが、オリゴ糖と乳酸菌です。
●オリゴ糖で腸内環境を改善
オリゴ糖は、すでに腸にいる善玉菌のエサとなるものです。
オリゴ糖を摂取して、腸内の善玉菌にエサを与えることで、手っ取り早く腸内を善玉菌優位の状態にすることができます。
●乳酸菌で腸内環境を改善
不足している乳酸菌を補ってしまえ! ということで、乳酸菌を含む食べ物を食べるというやり方があります。
ただし、乳酸菌を含む食べ物を腸に届けて腸内環境を改善するためには、生きたままの善玉菌を腸まで送り届けるようにしないといけません。
善玉菌をせっかく摂取しても、途中、胃酸を浴びたりして、死滅してしまうことも多いので、死滅しないように加工されている乳酸菌が良いかもしれません。
乳酸菌の入った食べ物というと、代表的な例がヨーグルトです。
腸内の乳酸菌は、年齢を重ねるにつれて減少していってしまいます。
そこで、ヨーグルトなどで乳酸菌を加えてあげると、腸内環境の改善に役立ちます。
ヨーグルトが便秘解消に良いのは、乳酸菌を摂取できるということのほかにも理由があるんです。
それは、冷えたまま食べるので、腸の刺激になることと、水分が含まれているので、便秘解消に必要な水分補給もできるということなんです。
便秘対策でヨーグルトを食べても、すぐに腸内環境が変わることはありません。
2週間くらいを目安に、毎日食べ続けることが大切です。
乳酸菌やビフィズス菌は酸に弱いという特性があります。
ヨーグルトを食べているのになかなか便秘解消の効果を感じられないというときは、食後に食べるようにしてみると、酸が出にくくなって、効きやすくなるかもしれません。
便秘に効果がないなと思ったら、食べる時間を変えて、食べてみることです。
腸内環境改善に役立つ乳酸は、自分の腸によって相性が違っていたりします。
他の人には効く乳酸菌でも、自分には合わないということもあるでしょう。
いろいろ試しているうちに自分に合った乳酸菌が見つかると思います。
1つのヨーグルトを食べ続けてみて、効果が感じられないときは、別の菌を使ったヨーグルトに変えて、試してみるようにしてください。