熱中症は、熱が体にたまった状態で循環血液量が減った状態で、脱水症の1つです。
熱中症の予防は、脱水症の予防ともいうことができます。
大量に汗をかいたときは、脱水症を防ぐために、塩分を吸収できる経口補水液が適しています。
この経口補水液を、簡単に手軽に作れる方法をご紹介します。
■熱中症がおこる原因は?
人の体液、血液のミネラルの組成割合は海水と似ているんです。
生理食塩水の濃度は、現在の海水の1/3程度の約0.9%です。
熱中症が起きるような状態で大量に汗をかくと、水だけではなくて、ミネラルも減ってしまいます。
大量のミネラル、特に塩化ナトリウムを失ってしまうと、循環する血液量も減ります。
循環する血液量が減るということは、抹消に行く血液が減って、体温を下げられなくなってしまいます。
熱中症になると、体に熱がたまった状態で、循環不全になります。 最悪の場合は死亡します。
大量に発汗することが予想されるときは、水分を含む飲み物を飲んでおくことが、予防になります。
このときの塩分、塩化ナトリウムの濃度は、生理食塩水の濃度よりも、低い温度で良いと言われています。
水は胃では吸収されません。腸で吸収されます。
小腸でナトリウムが吸収されるときは、ブドウ糖と同じ通り道が必要になります。
ブドウ糖があると、ナトリウムも吸収されやすくなります。
経口補水液では、ナトリウムが吸収されやすい容易、ブドウ糖が添加されています。
このように、経口補水液は、脱水症の改善にとても役立ちます。
食塩、クエン酸ナトリウム、塩化カリウムとブドウ糖でつくられています。
小腸では、ナトリウムとブドウ糖分子が1:1で吸収されます。
ですから、経口補水液も同じ割合で調整されています。
このように説明していくと、とても専門的な飲み物のように思えるかもしれませんが、おなじみの食べ物で、経口補水液と同等のものがつくれるんですよ。
それが梅干しなんです。
■梅干しで簡単に経口補水液を作る方法は?
梅干しには食塩、クエン酸ナトリウム、塩化カリウムを全部含んでいます。
梅干しは塩分濃度がいろいろですが、1粒を水500mL~1Lに溶かすと、生理食塩水の濃度の数分の1の濃度になります。
これに、ブドウ糖を加えます。 砂糖で代用できそうな気がしますが、砂糖の成分は、ブドウ糖ではありません。
ブドウ糖と果糖がミックスした「ショ糖」です。
代わりに、はちみつを使いましょう。 はちみつはブドウ糖を含んでいます。
約40%がブドウ糖で、果糖も40%です。
梅干し1粒に、大さじ1杯のはちみつを加えると、ナトリウムイオンとブドウ糖の分子が1対1になる計算となります。
そこで、水500mL~1Lに、梅干し1粒、大さじ1杯のはちみつを加えると、自家製の経口補水液ができあがります。
梅干しとはちみつだけでは飲みにくいときには、レモンを加えてもいいですね。
クエン酸の摂取にもなります。
お手軽経口補水液をつくって、熱中症予防のために、持ち歩くようにしましょう。
屋外に出て、のどが渇いてから飲み始めても、すでに脱水症が始まっているので、経口補水液の効果が発揮できません。
発汗すると予想される前、例えば屋外にでかける前などに飲んでおくようにしましょう。